臨床現場における等速性技術の応用

等速運動とは、固定された関節の周りを四肢が動き全体を通して一定の速度を維持しながら動かす運動のことで、「等速トレーニング」とも呼ばれます。人間の体は自然な状態ではそのような動きを生み出すことがほとんどなく、特別な機器の助けが必要です。特定の運動速度での筋機能を評価することは等速筋力テストと呼ばれ、これは現在、筋機能と機械的特性を評価するための最良の方法です。

等速性筋力テスト技術の臨床応用には以下が含まれます。

① 関節、筋肉、神経の機能障害の程度を評価する。

② 健側のベースライン値を患側の治療効果の期待値として決定する。

③リハビリテーション治療計画の有効性を評価し、リハビリテーションプロセスをリアルタイムで監視して、リハビリテーション計画をタイムリーに調整する。  

筋力評価

現在、臨床現場では筋力を評価するために手動筋力検査が広く使用されています。手軽に実施できる反面、検査者の主観的な判断に依存することや定量化できないなどの欠点があります。一方、等速性筋力テストでは、テスト対象の関節の周囲の筋肉の筋力を正確に定量化できます。通常、最大強度の評価には、低い角速度 (30°/s ～ 60°/s) でのピーク トルク (PT) が使用されますが、高い角速度 (180°/s ～ 300°/s) での総仕事量 (TW) は、筋持久力の評価に使用されます。PT は角速度の増加とともに減少します。  

関節の安定性の評価

膝関節の安定性の評価には、主にピークトルクのハムストリング/大腿四頭筋（H/Q）比が採用されます。H/Q比は、膝関節の屈曲筋力と伸展筋力のバランスが取れているかどうかを示す重要な指標です。研究によると、正常な H/Q 標準値は、膝関節角速度 60°/s で 60% ～ 69% であることが示されています。H/Q 比は角速度の増加とともに増加します。H/Q 比が高すぎるか低すぎると、筋肉の動きの調整や安定性に影響を及ぼし、膝関節の損傷につながる可能性があります。  

両側肢の対称性の評価

両側肢の対称性の評価では、主に両側の同名筋群の筋力差を採用します。人体の両側の同名筋群の比率が 0.8 未満の場合、特に両側が同時に最大の爆発力を発生させる場合に、怪我が発生する可能性が高くなります。研究では一般に、筋力のバランスを確保するには、両側の同名の筋肉の最大トルクの差が 10% 以内である必要があると考えられています。  

補助診断

等速性トルク曲線のノッチ、変動、プラトー、非対称性、またはその他の変形、および曲線の中断または短縮を分析することにより、変形性膝関節症の「M」字型曲線などの関節病変の可能性を判断できます。 (KOA) と半月板損傷の「W」字型曲線。異常なトルク曲線を分析すると、筋肉や関節の病理学的変化に関する客観的な情報が得られます。ただし、等速性技術によって測定される異常なトルク曲線は通常非特異的であり、補助情報としてのみ使用できるため、他の臨床方法と組み合わせてさらに確認する必要があります。

等速性筋力テストは、筋肉を評価するための重要な実用的な技術であり、臨床現場で広範に応用されています。等速性器具は、テスト中に等速性筋力トレーニングに使用できます。これは筋力トレーニングの主要な方法でもあります。

記事の出典: Liu Gongliang、上海第六人民病院リハビリテーション医学科

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